ストロングゼロ

196681966930代も半ばになると、長い間苦手だったものが好きになったり平気になったりするようだ。

苦手だった辛い食べ物やレモンサワーがむしろ好きになったり、苦手なタイプな人とも感情が波立たずに話せるようになった。

気が合わなそうでも掘り下げてインタビューをし続けると、大抵の人の中には光り輝く面白い部分を見つけることができる。

ダウンタウン直撃世代なのでシニカルでブラックで不条理な笑いが心底大好きだけど、「古今和歌集」のことを「小金玉集」に言い換えるという中学生のようなギャグも大好きになってきた。

野村さんが歩いていてつまづいただけで5分は笑ってられる。

 

政治や社会情勢がやけに気になり出したのもそういうお年頃なのかもしれない。

昨日も一昨日もイジメを苦に死んでしまった子どもがいて、どこかで女の子がクズにレイプされている。

世界が良い方向に向かえばいいのにと毎日考えている。

とりあえず知っている顔には笑顔で挨拶するところから始めている。

 

タバコも死ぬ頃合いがわかるまでやめることにしたし、吞み過ぎて酩酊することも比較的少なくなった。

あいかわらず何かに失敗しているけれど、自分のことは堂々と棚に上げて子どもを叱っている。

無意識に自分が育てられたように自分の子も育てている。

タフ&ラブだ。

 

最近は来年の北海道スノーボードツアーに向けてジョギングを始めた。

子どもの頃から足がダントツで遅いのでジジイみたいなスピードだけど1ヶ月で100km走った。

けれどちっとも痩せない理由について考えるのはもうやめた。

きっとそういう風になっているのだ。

僕もみんなもメイクマネーと生活だけであっという間に一日が終わる。

なかなか会えない日々が続いたりすることもあるけれど、会った時は日々の健闘を讃え合うように笑い声は鳴りやまない。

僕らはまだちゃんと笑えているから大丈夫だ。

うまく笑えなくなってきたらヤバイ兆候なので電話をくれ。

 

友達の奥さんが妊娠して無事に元気な子どもが生まれるようにと仲間達で安全祈願の旅にここ数回出ている。

仕事とか家庭とかで忙しい中、願掛けの為に調整して参加したことに愛を感じて泣きそうになる。

そういうことは本当に大事なんだ。

好きな人や大切な人の願いとか想いに寄り添いたい。

この旅が30年後の何かしらに影響していると僕は確信している。

 

酒の席で少し酔っぱらった知人の女性がこう言った。

「なんであの性悪のブスが結婚できて私が結婚できないのよ!」

僕からすれば彼女の性格も容姿も申し分なかったから、その様子は少し心苦しかった。

僕は性悪のブスに対して「いや、でも可愛いしいい子だよ」なんて言う女性は信用しないし誠実さに欠けると思う。

男は女性に対して「性悪のブス」とは言えないけれど、女性は性悪のブスに対して「性悪のブス」と言うことが同性として正しいと思う。

心苦しいのは彼女が結婚できないなんてことではなく、結婚なんてものに囚われていることにだ。

世間では結婚を受験や就職と同じような次元で「できる/できない」で語られることが多い。

結婚したら変貌してしまったという話をよく耳にするけれど、それもまた会社や大学への流れと似ている。

 

数年前のある晩、名前と顔くらいしか知らない女の子が「とにかく結婚して、子どもが欲しい」とうな垂れていた。

僕は彼女のことをよく知らないので適当なことを言ってその場を取り繕っていただけだった。

彼女は結婚できる男を見つける為に時間とお金を使っていた。

それから数年経った春に彼女と再会すると、彼女は結婚し子どもができたと知った。

けれど彼女は実年齢よりも遥かに歳をとって見え、口を開けば旦那の悪口と育児の疲れについて語った。

周りの久しぶりに会った人達が口にする「結婚できてよかったね」という強烈な嫌味はさすがに僕は言えなかった。

彼女にとって結婚は人生を変える蜘蛛の糸だったかもしれないけれど、何か少しどこかで間違えてしまったのかもしれない。

いっそ間違いになんて気が付かないまま死んだほうが彼女の為だとすら思う。

 

また別の夜、「結婚したのがそんなに偉いのかよ!」と言った女友達がいた。

今となっては彼女の気持ちがわかる。

結婚すること自体、別に偉くも素晴らしくも特別でも何でもないのに、上から目線でさも人生経験が上のように語られたらそりゃムカつくよなと、今となったらわかる。

最近のアンケートによると既婚者の女性に「来世も同じ人と結婚したいですか?」という質問に「Yes」と回答した人は3割を切っていたらしい。

ちなみに残り7割のうちの半分は「そもそも結婚自体したくない」と回答したそうです。

自分よりも大切で心身捧げられるほど好きな人と結婚しないと刑務所みたいな生活が待っているようだから、これから結婚を考えている人はそこらへん重々考えたほうだよさそうだ。

これからは離婚率はもっと上がって、独身男女は増加するだろうけど別に変なことじゃないし人間らしい自然な選択の一つだと思う。

 

「好きな恋人と友達と笑って一緒に生きていけたら幸せだな」って大学生の時に漠然と願っていたことが、実は幸せの答えだったのかもしれない。

浅はかで馬鹿馬鹿しくくだらない思いつきが闇を照らす光だったりする。

僕らはいらぬ情報を刷り込み過ぎて簡単な答えを見失いがちだ。

つまりは僕らは僕らが思っている以上に頭が悪いのだ。

あらゆる答えはとっくに出ているのに、難しく考えすぎてメクラになったフリしてないか?とネオンきらめく東京シティを今晩もジジイのスピードで走る。

そんな感じでミックス作りました。

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ハヤブサマガジン 2005年10月活動開始。 フリーマガジン「ハヤブサマガジン」を日本全国のフットサルコート、スポーツバーなどに配布。 vol.7をもって活動停止。2013年、ウェブマガジンとして活動再開。ブログは日常の話です。