1970年代が終わる頃、多くのアメリカ人は明日に希望を見い出すことができませんでした。
アメリカ人写真家Joe Maloneyはニューヨークで結成された伝説的フォトグラファーチームのメンバーであり、数々の「名作」と言われる写真作品を撮り続けました。
今回紹介するのは彼が1979年~1980年にニュージャージーのシーサイドリゾートであるアズベリーパークやジャージーショアの周辺で過ごす10代を撮影した作品です。
大人たちがうな垂れて頭を抱える頃、若者達は車の中で大麻を吸ってディスコに通い、恋人や仲間達と今だけを生きていた1979年。
明日の希望が見えずに爆発しそうな不安や不満が胸の中でグルグルと回っていた1980年。
同じくニュージャージー出身のブルース・スプリングスティーンは当時の心情を「アメリカンドリームはどっかにいっちまったよ」と表現しています。
ラブ&ピースとは裏腹に停滞する世界に嫌気がさしていた時代。
ちょうどその頃10代後半だった人は、今では50歳くらいになっています。
彼らはあの頃を振り返り、今何を思うのでしょうか。
貧しく誰からも相手にされず、それでも「いつかきっと!」と仲間と肩を組んでいた青春時代こそ、幸せそのものだったのかもしれません。