お揃いのロレックス

「お前、なんでそんな奥さんに気を使ってビクついてるの?」って思っていたとしても、それは口には出せない。

そこには家族の事情があり、男と女の事情があり、僕が関与することができない問題があるからだ。

もしかしたらそれが優しさなのかもしれないし、ちょっとでもはむかえば蹴っ飛ばされるのかもしれないし、奥さんに対して後ろめたい何かがあるのかもしれないし。

ちなみに僕は父親の幸福度が高い家庭は家族全員の幸福度が高いというデータ(クーリエ・ジャポンより)を武器に、「全ては家族の幸せの為に。行ってきます」と週末は何かで遊んでいるけれど、誰かからしたらそんなのは父親失格だと言われるかもしれない。

そのような善悪や是非で語れない問題は歳を重ねるごとに増えてくる。

ふと感じる不自然な感じや違和感を口に出さないほうが良いことが多い。

その正体を暴いたところで、誰かが一生懸命積み上げてきた何かを壊してしまうだけのことだから。

気が付かないフリや見て見ぬフリもまた優しさであり、鋭い心理分析や人生批評はかえって幼い行いのように思える。

けれど、友達が苦しむ様を傍観しているのも気持ちが悪いものだ。

大人になるといかに自分が「大丈夫か」を他人にアピールしがちだけど、その実は心底参っている時だって多々あるはずだ。

実際に僕は多々参っている。

ハートはダイヤモンドでできているので心が折れることはないけれど、みんなと同じく忙しさに飲み込まれてしまって息継ぎできない時もよくある。

余裕で暇なのがイケている大人だと思っているので非常に良くない状態のヤツだ。

その時、愚痴は言わないが「もうダメだ」「ここが限界か」「さよならだけが人生だ」と思ってもいない泣き言を家族や友人に言って、いかに僕がイケているか言語化してもらうようにしている。

例えば家族は僕のことが大好きなので、「大くらいグレートな奴はいない」「大から最高を取ったら最高しか残らない。つまり最高ってことだ」「長瀬智也かと思った」「ほら、1000円あげるから」などと勇気づけてくれる。

その度に僕のダイヤモンドハートはキャラット数がアップし、とても元気になる。

だからみんなも参っちゃった時は家族や友達に泣き言を吐いた方が良いと思う。

そしたらきっと誰かがあなたのハートに光を照らすはず。

僕なら米軍が使っているようなハンパない光量の頭蓋骨をカチ割れるくらいイカつい懐中電灯をいつだってポケットに入れてる。

遠慮なく高笑いしながら光を照らし、まとわりつく不安の影や暗い幻想を消し去ってやる。

人と人はそうして成り立っていると確信している。

人はあなたの表層的なイメージや大丈夫な感じよりも、ハートで感じていることに興味があり、それに触れたいと思っているはず。

少なくとも僕はそう思っている。

そんなことを考えているという話とは全く関係ないけど、星で繋がった聖闘士(アラフォー)達と小宇宙(高萩)に2泊3日の旅に行きました。40歳になる前に仲間20人でラスヴェガスかマカオに行って、1200万勝って全員お揃いのロレックスを買おう。

そしてゲーセン行ってプリクラ撮って「チャリで来た」って書こう。

面白可笑しく生きることに必死で愚直でいたい。

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ハヤブサマガジン 2005年10月活動開始。 フリーマガジン「ハヤブサマガジン」を日本全国のフットサルコート、スポーツバーなどに配布。 vol.7をもって活動停止。2013年、ウェブマガジンとして活動再開。ブログは日常の話です。