2016年は痔にならなかったなと思ったら、年末に痔の気配を感じた。
具合を見てもらおうと奥さんに向けて景気良くアナルを広げると、アナルにティッシュが付いていて恥ずかしかった。
でも笑ってくれたからそれでいいんだ。
ママチャリの後ろに娘を乗せて信号待ちしている時、振り返りながら「お鼻で空気を思いっきり吸ってみ。ツーンってなるから」と僕は言った。
この「ツーン」のくだりをさかのぼれば16歳の時に初めてできた彼女にも、その後に付きあった恋人達にも、1回だけデートしただけの素敵な女の子達にも話していた。
また言ってるなと思った。
時を経ても、僕はママチャリを立ち漕ぎしながらまだ言っていた。
思い出は一話完結のショートストーリーのように錯覚してしまいそうだけど、実はまだ続いていて、終っていなくて、繋がっていて、これからの未来に大きく影響する伏線のように感じる。
偶然か必然か、数奇な運命に運ばれて今があると、小学生の僕らが今の僕らを見たら驚くことだろう。
なにがどうなってそうなったの⁉と。
慣れたせいで単純で平坦に感じることも、ちゃんと振り返れば「話せば長いんだけどさ」と枕を付けなきゃならないことばかりだ。
きっと実は今も運命の動乱と混乱の真っただ中なのだ。
だから僕らは死ぬまで何も結論付けられない。
「何が起きるかわからない」のはファンタジーじゃなくて、まさに今、この現実の話だ。
そんな話を友人と話していると、「『君の名は。』みたいだな」と彼は言った。
僕が「そうなんだ。観てないからわかんないけど」と答えると彼は「俺も観てないからわかんねぇけど」と言った。
僕の友達は僕を筆頭にいい加減な奴ばっかりだ。
SMAPが解散するなんて誰も思っていなかった。
未来がどうなるなんて誰もわからないということを決定付けた出来事だった。
予想もしていなかったことがバンバン起きる。
だとするなら、SMAPが解散取り消し、あるいは再結成する未来だったありえる。
全てがありえるんだ。
あなたにとって2017年が楽しいものでありますように。