保土ヶ谷の街は聖蹟桜ヶ丘みたいだった。
急な坂があって、上まで登ると一面に家々が見える。
待ち合わせの時間まで少しあったから、手に持った地図には記されていない道を歩いてみた。
小学校低学年の男の子がおばあちゃんから沢山のお土産を貰って、一人で帰るという風景とすれ違った。
振り返るとおばあちゃんはずっと男の子の背中を見ていた。
男の子は角を曲がる時に振り返らなかったので、おばあちゃん子レベルが低くて呆れた。
僕ならば20回は振り返るし、角を曲がる時に完全に振り返って立ち止まって手を振る。
おばあちゃんを想い出して、突然寂しくなった。
丘に連なる家々がかつての生活を思い出させる、のかどうなのか知らないけれど、「なんだかなんだか」な気持ちになった。
きっと日曜日に知らない街でひとりだったからだ。
カントリーロード、明日はいつもの僕さ。