国家間の障壁を取り除き、自由化を推し進めた資本主義のグローバル化のことを言います。
日本におけるグローバル資本主義の始まりについて、みずほ総合研究所は「グローバル・スタンダード論の盛り上がりの背景には、日本経済に対する過度な悲観論とその裏返しである好調なアメリカ経済への追従の姿勢があった」とコメントしています。
しかし、日本のみならず世界では「グローバルスタンダード化」ではなく、マクドナルド、ケンタッキー、コカコーラ、ファンタ、ウィンドウズ、アップル、GAP、NIKEなどのアメリカのメガブランドが街を食い尽くす「アメリカンスタンダード化」が進んでいます。
どこの国かは関係なく金が持っている企業が正解であり正義であるというグローバル資本主義の結果が今の東京、あるいは地方都市の姿だと言えるでしょう。
インドでは急速に経済発展する中、子ども達が母親が作るインド料理を食べずに(あるいは母親が作らずに)マクドナルドなどのファストフードを主食とする新しい世代の家族が急増していると言われています。
芸術家のJames Ostrerはフードカルチャーのグローバル化の危険性について視覚化した作品「Wotsit All About(クソ共の全て)」を発表しました。
大量の食糧生産と消費、砂糖とジャンクフードの大量摂取、そして飽食の危険性について訴えかけている作品です。
明るくポップな色合いに、ジャンクフードで蝕まれたグロテスクな姿、もしかしたらJames Ostrerはアメリカそのものを擬人化したのかもしれません。たしかに世界はお金中心で動いています。
グローバル資本主義が進む現代においては猛然と利益を追求する姿は「正義の勇者」だと称えられることでしょう。
しかし、「正義の勇者」が剣を振りかざす度に、世界各地の土着的文化や風土がまるでローソクの火を吹き消すように簡単に無くなってゆくのです。
そして「正義の勇者」は大勢の明るくポップでグロテスクなのしもべを引き連れて、世界のどこかに向かって行進を始めるのです。