世界の暫定王者アメリカが抱える社会問題は各先進国が抱えている問題とほぼ合致します。
貧困層の急増、社会保険問題、年金問題、荒廃する郊外、悪化する失業率、などなど。
日本では年収122万円以下が貧困層と示され、ここに属する世帯員の割合は16.3%で日本全体の6世帯に1世帯ほどが貧困層に属します。
今後はそれらの少し上から中流階級と呼ばれる世帯も貧困層になる可能性が高いと指摘され、特に代替えが利く職種で働いている人達はその危険性が高いと言われています。
さらに、そのような条件に当てはまる世帯が多く集まる郊外においてはすでに貧困化・人口減少・高齢化が加速しており、都市部への流入が進み続け、空家率が20%を超える地域も現れ始めました。(東京都においてもマンションの空き家率が千代田区36%、中央区28%、荒川区19%とかなり高いですが、これは投資物件の飽和状態というまた別の問題を抱えています)
アメリカにおいては郊外における貧困地域の人口が急増しており、 貧困層の数は90年代には1230万人だったが、それから10年で4620万人に増加。
低所得者層が集まる「貧困地区」の人口は同期間に33%増えたとされています。
フランス人写真家のThomas Chénéは凋落したアメリカ郊外に住む人々の孤独、混乱と脆弱性を映し出しました。Thomas Chénéが浮き彫りにした寂しさと不安感や虚無感は郊外の人々だけが抱えるものではなく、都市で生活する人達も喧騒とネオンの中でそっと隠しているものでしょう。