ずっと憧れていた白馬へ、前世の中世ヨーロッパ時代に城を作るのを一緒にサボっていた仲間達と3日間の俺達の旅。
雪景色と静寂に胸に風が吹いた。
滑りながら手で触れる雪はサラサラで胸が躍った。
ピョンさんは自爆して胸の脇の骨にヒビが入ったと嘆いていた。
リフトに乗りながら、みんなとITやメディアや遊びや金儲けとクリエイティブや思想と政治や人生について話す。
マジな話をできる友達がいることは幸せだ。
最高だ。
無様に足掻く姿を見せられる友達がいることは幸せだ。
僕の無様な姿をどうかお前の目に留めておいてくれと思う。
衝動的で感情的な思いを聞いてくれる友達がいることは幸せだ。
楽し過ぎて興奮して動物のように気が触れる瞬間を覚えていてくれと思う。
もしもマセラティ乗れるくらい稼いでも、僕はマセラティ買うなんて田舎臭いことはせずにその金で友達を招待してメキシコとマカオに行く。
死ぬまでに叶えたい夢の一つだ。
知っている金持ちはみんな、嘘くさい関係の「知り合い」という名の友達しかいないから、僕のエモショーナルな価値観では金持ちになれないかもしれない。
あるいはマセラティを買うというセンスの人しか金持ちになれない仕組みになっているのかもしれない。
投資とか金融とかマジでみんな踊らされるなよ、搾取されんなよ。
そういうのも含めて全部ひっくり返したいと18歳の頃からずっと思っている。
僕のハートの中の世界大戦はもう第16次くらいになっている。
そして、言ってないから知らないと思うけど、僕の中で繰り広げられているその世界大戦の最前線には、君やあなたもいるんだぜ。
もう十数年も僕と一緒に匍匐前進しながら、巨大な敵に向かって小さな爆弾を投げ続けている。
敵の正体は人それぞれだ。
いずれにせよ強敵だ。
一緒に戦っていても、振り返ったらいなくなっていた奴も何人かいた。
きっとそいつらもどこかの前線で今でも戦っているはずだ。
そう思うと胸が熱くなる。
そしてピョンさんは胸の脇の骨を痛めている。