タイミング悪く勃起していることはないだろうか。
いわゆるバッドエレクション(Bad election※B.E) と呼ばれる事象だ。
多かれ少なかれ男性は誰しもが経験したことがあるだろう。
例えば近所で知り合いのおばちゃんと遭遇して軽い世間話をしている時。
例えば男の子とエレベーターで一緒になり、男の子が降りる時に「さようなら」と声をかける時。
日常の中で、「なぜ今なのか?」というタイミングでギンギンになっていることがたまに、いや正直に言おう、頻繁にある。
男友達と話している時も、実は僕の小兵がガチンガチンになっていたこともあったかもしれない。
しかしもちろん、近所のおばちゃんにも男児にも男友達にも全く欲情はしていない。
熟女好きでも小児愛者でもない。
僕は同年代の女性が好きなのだ。
悩める人達が集まるウェブサービス「知恵袋」でバッドエレクションについて調べてみたことがある。
類似した質問がいくつかあり、回答の多くは「風俗に行きなさい」「煩悩が過ぎます」などが多かった。
確かに煩悩は頭から足の先まである。
自覚はないけれど欲求不満なのかもしれない。
知恵袋で書いてあるのだからきっとそうなのだ。
もしかしたらセックス依存症の王者、タイガー・ウッズも僕と同じB.Eの悩みを持っていたのかもしれない。
解決する為に「よし、なんか勃起してっから女呼ぶか」ってノリだったかもしれない。
しかし僕はタイガー・ウッズではなく、どこにでもいるただの区民なので「なんか勃起してっから女呼ぶか」とそう簡単にはいかない。
きっと天国なら「よし!勃起してっから誰か抱くか!」となるかもしれないけれど、まだ生きているのでそうはいかない。
前に奥さんに「先に死んだら女の子を両肩に抱いて天国の門に迎えに行ってやるよ」と言ったら、全く笑っていなかった。
男なんてろくでもないからほとんど迎えになんて来ないのだから、迎えに行くだけ大したもんなのに。
女性は欲張りだ。
プロを経験している友人に話すと笑われるけれど、恥ずかしながら僕はそもそも風俗に行ったことがない。
風俗に行く自分も想像できない。
青年時代の言葉は大人になった今でも心に残り、人生を動かす指標になることがある。
学生の頃、なぜか僕のことを異常に好いてくれる友人がいた。
その友人がある時、「大君が風俗行っちゃダメでしょ」と言ってきた。
前後の流れは忘れたけど、その友人いわく僕が風俗行くのはダサいしガッカリするからやめたほうがいいらしい。
その当時に風俗に行くお金もなかったのでなぜそんな話になったのかはさっぱり覚えていないけど、とにかくその彼が言ったことが今でも胸に残っていて、ダサいのは嫌なので風俗には行ったことがない。
その友人とはその後、考え方の違いで決別した。
彼は僕を何者かにすり替えていたけれど、残念ながら僕は何者でもなく、そして彼を救うことはできなかった、と思う。
彼がどこかで胸を張って生きていればいいなと思う。
風俗と言えば以前みんなで「おっぱいパブ」に行こうと決起したことがあった。
その計画は結局酒の席のノリで終わってしまったのだけど、ノリで終わってホッとしている。
いざ決行になったら、「いや、いいや」なんて断るのはなかなか難しい。
酒でシュートを仕掛けれても、誰かがモメてるからちょっと来てくれの時も、Yes,I Can!の大ちゃんで今まで生きてきて、それでおっぱいパブを断るのはなかなか難しい。
聞いた話では暗がりの部屋のソファーに座って待っていると、ランジェリー姿の女性がやってきて、膝の上にこっち向きで跨ってくれるという夢のようなサービスらしいのだけど、問題は友人と行くという点だ。
店によってらしいのだけど、一緒に来た友人達と並んで座るらしい。
つまり、友人が一心不乱に女性のおっぱいを揉みまくっているのを横目で見ることになるのだ。
そう言うと、経験者達は「こっちを見なければいい」と胸を張って堂々と言い返してくるのだから凄い。
そんなのは無理だ。
絶対に僕は見てしまう。
僕に跨る女性の胸と同じくらい友人達の揉み方や愛で方が気になってしまうだろう。
そもそも不思議なんだけど、そんなサービスを受けてしまったら、ギンギンになってしまって、そこで生まれたエネルギーが解消されないまま、ただひたすらにモンモンとして家路につくことになる。
ただおっぱいを揉むだけで何も解消されていないのだ。
たしかに解消することよりもおっぱいそのものが好きな男性はいるけれど、それでも腑に落ちない。
世の中は腑に落ちないことだらけだ。
いつかまた「よし!みんなでおっパブに行かないか!?」と誰かがキラキラした目で笑顔で提案してきたらどうしよう。
という話を一回り上の諸兄に話したら、「青春だな」の一言で片づけられた。