人間8級

ちょっと前の金曜日の夜は天窓が割れるんじゃないかってくらいの豪雨だった。

ツタヤで旧作の映画が100円で借りられるようになってから、テレビはほとんど観なくなった。

テレビを観ていないと言うと、忙しくてテレビ観てないわー俺。みたいに忙しいのがカッコいいと思っている新卒のサラリーマンの残念なノリみたいだと思われてしまうのではないかと世間の批評が怖くて震えている。

世間様に怯えながら、ゴザの上でコロコロしながら映画「恋する惑星」を観ていると、オチの解釈が昔とは全然違くなっていて、本当はどういうことなのだろうと考えていたら寝ていた。

 

幼馴染のアキラの結婚パーティーで盛り上がり過ぎて乱闘騒ぎになった時に備えて、体力を作る為にたまに走っている。

奥さんになるゆみちゃんの男友達は北関東のヤンキーっていうイメージがあるので、もしも酒乱だったらサブミッションで対応するのがベストだろう。

この前、久しぶりに剛君のヒジを極めたら、超怒ったので驚いた。

 

野球でたまに打って1塁に走る時か、たまにやるフットサルの時しか走らないので、年寄りみたいなスピードで走っている。

後ろから走ってくるランナーに余裕で抜かされるけど、本気出していないだけという雰囲気を出して、一緒に走っている人と談笑したりしてみる。

走っていると小型犬が足元に滑り込んできそうな時があって、僕は脆弱な生き物が嫌いなので蹴り殺したくなるけど、寛大なので避ける。

生きているのではなくて、生かされているという自覚がないから、朝早くの低血圧で世界滅亡と願っているような状況の時にやかましく吠えるんだ。

でも、「そういうコト言うのカッコ悪いよ」と好きな人や可愛い女の子に言われたら、僕は手のひら返しで自分が犬のことをどれだけ愛しているか切々と語るだろう。

それにしても、もしもランニング中に誤って犬を蹴っちゃったとしたら裁判ではどういう判決が出るのだろうか。

もちろん僕は聞かないけれど誰か知恵袋で聞いてみてほしい。

やはりライオンとか熊とかオオカミが好きだ。

 

今までの遊び方に飽きたので、進化させる為に色々なことを元に戻そうと誰にも言わずにただ思っていたら、偶然にも友人の何人かが同じことを考えていて驚いた。

もしかしたらみんな感受性が強いから僕からの電波をキャッチしただけかもしれないけど。

そういえば3年前のこの週末はマサキや野村さん達と大磯まで自転車で行って、ヴァルザックがトラックにハネられたことを思い出した。

その晩は風呂場ですね毛を全部剃って、女の子になったみたいで変な気持ちになったんだ。

最高だったな。

今晩だけは特別だって夜が、欲張りだからもっともっと欲しいんだ。

 

今年の夏はロッキンに2日間行ってからそのまま館山に4日間滞在して、お盆は東京じゃないどこかにいることが決まった。

弟が忙し過ぎてなかなか一緒に遊べなくてつまんないんだけど、弟は思春期なので僕とは遊びたくない雰囲気を出している。

その雰囲気が気に食わなくて、ちょっかい出し過ぎて、より一緒にいたくなくなるという悪循環の真っただ中だ。

「リュウヤより大ちゃんのほうが思春期だからな!」って言ったら、インコが「ピィィ!!!」だって。

歌舞伎の「なかむぅらやぁ!」みたいタイミングでインコから相手の手が入って恥ずかしくなっちゃったよ。

死んじゃったおばあちゃんが「大ちゃん、なんでも加減が大切なのよ。」と言っていたけど、僕はそこところが未だ上手じゃない。

Naverで「加減が上手になるまとめ」はないだろうか。

 

笑える不幸な話は有史以来、変わることのない極上のエンターテイメントコンテンツだ。

今まで友達になった奴は金玉に枝が突き刺さったなどの笑える不幸な話を二つや三つ持っていたことが多い。

僕が洗面所で踊っていたら、天井から照明が落ちてきて血だらけになって救急車に乗った話をしたら、「俺はチューペットで頭殴られて気絶したことがある。」って言った奴がいた。

最高だよ。

人から少しだけ不幸で、少しだけ馬鹿な奴だと思われるくらいが、最も生きていて楽しいポゼッションだと思っている。

 

それにしても人への興味はマジで尽きない。

キャバ嬢が「ずっと友達だぉ」「うちら安定のクオリティー」と一緒にプリクラを撮っていた同僚を、「店長と付き合っているのをオーナーに告げ口した」という理由で殺して埋めちゃったという激安な事件がここ最近で一番興味深かった。

このようなスーパー特価人間がゴロゴロいると考えると、この世はまさにウォーキング・デッド。もしくは妖怪大戦争。

人のことがなんでもわかるみたいな人がいるけど、僕にはまだまだちっとも理解できないことばかり。

まだ人間8級くらいだ。

 

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ハヤブサマガジン 2005年10月活動開始。 フリーマガジン「ハヤブサマガジン」を日本全国のフットサルコート、スポーツバーなどに配布。 vol.7をもって活動停止。2013年、ウェブマガジンとして活動再開。ブログは日常の話です。