私は男なので実際のところはわかりませんが、時に女性は何かの圧力を感じながら生きているように見える時があります。
もちろん女性が皆そうなわけではありませんが、容姿や生活、あるいは仕事や交友関係の質(この表現には大きな疑問があるけど)を他人と比較し、「誰かのように」幸せにならなくてはいけないという強迫観念を抱いているように見えます。
コンビニに並ぶ女性雑誌は「自分以外の何かに変わること」「美しくカモフラージュすること」「たとえ辛いことがあっても明るくポジティブに生きること」を太文字で強く主張します。
まるでそれが絶対的な正義であるのように。
まるでそうしなければ女性として、あるいは人として失格であるかのように。
アトランタを拠点に活動する写真家ケイト·パーカーは彼女の2人の娘の騒がしく、男の子のように活動的で、大胆不敵で乱雑、そして大笑いの後に超イライラしている様子を写し出した写真作品を発表しました。
彼女達は自分を誰かと比較することもなく、自分の気持ちのままに嬉々として生きています。
「私、今楽しんでますよ!」と嘘くさく手を叩いて笑って周りにアピールすることもなく、「幸せそうな日々」を必死になって知人に伝える虚しい努力もしていません。
彼女達のこの日々はイミテーションの美意識が芽生える前の短い季節かもしれません。
ケイトはこのシリーズを『Strong Is The New Pretty』と題しました。
きっとケイトは「この強さって超可愛くない?」と思ってこのタイトルにしたのでしょう。
口角を上げるのに疲れた綺麗なお姉さん達も、かつては彼女達のように強かったのではないでしょうか。
けれど大人になり社会で生きていくには周りを気にしないわけにも、自分の心のままだけに生きるわけにもいきません。
この作品から「周りに合わせて自分の心に偽ることは器用に生きていく上で必要なことだけど、それが人生の目的になっちゃいけないよ」というメッセージを受け取りました。初恋に狂っていた男子達は、女子達の可憐さや大人っぽさではなく、もしかしたら「強さ」に惹かれていたのかもしれません。
「強い女性」と言うと、男なんて必要なくて、言葉遣いが悪くて、自立していてってそういう印象を抱きがちだけど、それは全く強さじゃなくて・・・、「強い」って説明が難しいですね。