月曜の朝、教室では昨晩のあの番組についてみんなで話している。
「とかげのおっさん、最高だよな!」
多くのクラスメイトがあれはちょっとな~と苦笑いをする中、「とかげのおっさん」の面白さを分かち合える友達が何人かいた。
彼らは今でもちょっとだけ人とズレているのだろうか。
1991年から1997年にかけて放送されたコント番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」。
当時の10代・20代の若者にとって後の美意識や価値観に多大な影響を与えたと言っても過言ではないこの番組は、従来のお笑いの概念を壊し、再構築したと言ってもいいだろう。
「カッコいい」は「カッコ悪い」、「カッコ悪い」は「カッコいい」と、物事の角度を変えて見る批評性を「お笑い」という表現方法で提示した。
それは「見てきたものや聞いたこと、今まで覚えた全部デタラメだったら面白い、そんな気持ち分かるでしょう」とTHE BLUE HEARTSが「情熱の薔薇」で歌ったような、当たり前を疑え!、そして想像してみろ!と視聴者に訴えかけた、最もパンクなテレビ番組だったと言えるだろう。
さて、今回紹介するインスタグラムで175.000人のフォロワーがいるBrock Davisの作品と、「ごっつ」はまるで関係がない。
関係ない話を長々と枕で書いてしまったことは謝るしかないが、この角度の変えた見方やなんだか妙な感じは非常に「ごっつ」的だなと思ってしまったのだ。
松本人志氏が放つ誰も言ったことがない比喩表現でハッとしたような、あの感じに近いものを感じたのだが皆さんはどうでしょうか?