日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会が2004年に「乳幼児のテレビ視聴の発達への影響」についての調査結果を発表しました。
1歳6ケ月健診対象児計1900名について調査を行った結果、長時間視聴は1歳6ケ月時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があるということが判明しました。
特に日常やテレビ視聴時に親子の会話が少ない家庭の長時間視聴児で有意語出現が遅れる率が高いこと、そして、このようなテレビの影響にほとんどの親が気づいていないことが示されました。
写真家のDonna Stevensはテレビを観ている子どものポートレート写真シリーズ「Idiot Box(バカの箱)」を発表しました。
子どもがテレビを観ている時の表情は親が意外に知らないかもしれません。現代や親が仕事やSNSやLINEで忙しく、家庭内のコミニュケーションが減っている傾向にあります。
忙しいあまり、乳幼児にテレビを観せ続ける親が増えるとともに、言語発達に問題をもつ子どもも増加することが予想されています。
乳幼児期は言語発達に重要な時期であり、テレビ視聴の影響については親も社会も認識する必要があります。
最近では新卒社員や若い社会人の「話し下手」という問題があちこちで話題になっていますが、幼少期の影響もあるのかは定かではありません。
昔の親は「コラ!テレビばっか観てると馬鹿になるよ!」と怒鳴って強引にテレビの主電源を抜いたりしましたが、あながち間違っていなかったのかも。
このような情報を与えられると、頑なに子どもにテレビを観させないという親も現れたりしますが、何事も重要なのは加減かもしれません。
この調査に関しては→日本小児科医会 http://jpa.umin.jp/media.htmlで詳しく紹介されています。