ロンドンの不動産高騰が止まらず、かつての住人達は家賃を支払えずに郊外もしくイギリス国外へ移住しなくてはならない事態になっています。
2014年には住宅価格は前年より20%も上昇し、過去40年間で見るとなんと43倍の値上がりになり、約43㎡の中古1ベットルームが100万ポンド(約1億7千万円)で売り出され、ペントハウス1室が1億4千万ポンド(約240億円!!!)で売れたというニュースも話題になりました。
あまりにも高騰しているので不動産バブルという見方もあり、「ロンドンは富裕層だけが住める街になり、かつての住民はいなくなり、ついには文化もなくなるだろう」という意見も出てきています。
ロンドン不動産高騰は中東やアフリカ、そして東南アジア各国などの新興国の富裕層に人気を集めていることが原因の一つとされています。
新興国富裕層は資産運用の為に世界中の不動産を買い漁っており、ここ日本でも中国の富裕層達が高層マンションをフロア買いし、明らかに供給過多だとしても、適正価格よりも高いとしても、東京の人気エリアの高層マンションはすぐに売り切れる現状です。
その中でも特にロンドンが人気を集める理由は「イギリスの敵をつくらない国際政治の要領の良さ」「価値観の多様性を実現させた懐の深さ」「富豪層を惹きつける文化」などが挙げられます。
ロンドンの不動産人気が加速する中、ある建設会社が「立地」「デザイン」「付加価値」を追求した集合住宅の建設を開始しました。
なんと空中に浮かぶ(ような)プール付住宅です。建物屋上部分に接続された浮かぶプールは、長さ5メートル、幅3メートル、ガラスの厚さは20cm。
テムズ川沿いにある閑静なエリア「バタシー」に建設されるこの集合住宅は2017年に完成予定で、建設会社社長は「我々は誰もやったことがないことに挑戦したかった」とコメントしています。
プールの設計には水族館デザイナーや構造設計の専門家などの協力を仰いだそう。プールを繋ぐ屋上にはバー、スパ、庭園もあるそうです。
きっとこの住宅も富裕層が「オレ買う!」「ワシも買う!」と買う買う状態になることでしょう。
世界中で起きている不動産高騰とタワービルの建築ラッシュですが、すでに中国や南米の都市部ではタワーマンションのゴーストタウン化が始まっています。
住む為ではなく、投資の為の家が増え続れば、確かにそこには人々の交流はなくなり、文化もなくなることでしょう。
資産価値として魅力と街としての魅力は別の話です。
実際に世界では「都市部からの脱出」という新しいムーブメントが起き始めており、日本においても東京から地方都市に移住する人達や企業が急増しています。
しかしながら、それでもなお東京の人口一極集中が続いており、東京の不動産価値は東京オリンピックまでは上がり続けるというのが大方の予想です。
近い将来、東京のどこかでプールが浮いている住宅を見かける日が来るかもしれません。