1980年代にアメリカの大学生の中で大流行し、大量の死者を出した危険な遊び「ビアポン」。
ビアポン(Beer Pong)はテーブルにビールの入ったカップを並べて、交互に別れ、順番にピンボールを投げ入れ、入らなかったら(入れられたら)ビールを一気飲みをするというのがその当時の若者達のルールでした。
このゲームによりアルコール依存や事件、事故が多発し、次第に「一気飲みをする」というルールは表向きにはなくなり、ビールではなく水を利用するなどの変化が見られました。
日本においては東京ビアポン倶楽部が主催する公式大会などでは、試合中のビール及びお酒の提供を取りやめています。
今ではただのパーティーゲームだけでなくスポーツとして世界中で競技されているビアポン。
特にアメリカでの人気は年々増しており、ビアポンの世界大会「The World Series of Beer Pong」は毎年の1月にラスベガスで開催され、アメリカのみならず世界各地から腕に自信がある選手が集まり、優勝賞金50,000ドルを争っています。
The World Series of Beer Pongの模様
スポーツ大会とは思えない盛り上がり方です。
相手の攻撃を邪魔するユーモアのスキルも必要になってくることがわかります。
このような「楽しさ」がこのゲームがスポーツ競技としても世界中で人気を博している理由だと言えるでしょう。
競技として楽しむ人が増加する一方で、「パーティーゲーム」として未だに根強い人気を誇るビアポン。
競技ルールは明確に決められていますが、パーティーでのゲームとなると、そのルールはパーティー主催者やプレーヤー同士でルールを定めることになります。
パーティーの場合は「ビール飲もうぜ!」という要素が強く、ビールを飲み干さないといけないルールや、ゲームに負けたら罰ゲームをなどが主流となっています。
一方で、現在アメリカでは若い世代の健康志向が強くなり、ビール離れが加速しているという状況になっています。
若者の中で「ビアポンしたいけど、ビールはあんま飲みたくねぇな」という意見が多く聞こえてくるようになりました。
そんな今のご時世に誕生したのが「ミニビアポン」です。
ミネソタでハンドメイドされた「ミニビアポン」は長さ60センチの木板に25個のミニカップ、そしてボールが2つ付属されています。
この大きさであれば、自宅のテーブルや机でも遊ぶことができ、飲酒の量も減らすことができます。
ミニビアポン紹介動画
これなら手も汚れず、ボールも無くすことなく、ビールをこぼすこともありません。
また、二つに折って畳めるので収納性にも優れています。
価格は$75-$100です。
ビールの飲酒量は減りますが、近年若者の間で人気傾向にあるリキュール類を使用しても遊べるというのも特徴でしょう。
このグラスの大きさからテキーラのショットで遊ぶことが容易に想像できます。
このミニビアポンはScienzという会社が製造・販売しています。
Scienzはミネソタ大学で同じ寮だった友人達で「ミニビアポン」を製造する為に設立されました。
彼らは大学を卒業し、自宅のガレージを工場に変え、ミニビアポンの製造をスタートしました。
酒好きの若者達の発明が今、じわじわと世界中に広がっています。