私達は100年も経たないうちに消費せずにはいられない生き物になってしまいました。
それはテレビなどのマスメディアと大手広告代理店が仕掛けた巨大プロジェクトが見事に成功したことを物語っています。
コンプレックスや心の穴を埋めるがごとく消費し、破棄し、また消費します。
より多くより大きな物を持つことが美徳とされる現代社会において、質素な生き方は「ケチ」「貧乏」と見なされます。
そうして私達は無意識のうちに買わずにはいられない生き物になってしまい、もう決して「食べるものがあって、家族がいて、友達がいて、天気も良くて、星が綺麗で、素敵な夢を見る」なんてことだけでは幸せにはなれなくなってしまいました。
身の回りにあるモノの中で生活の上で本当に必要なものがいくつあるでしょうか。
商品の価値、ブランドの意味、消費する意義について省みる現代人はいません。
もしも地球に意思があるなら、私達人間のことを「着飾ったゴキブリ」と判断するはずです。
汚染し、破壊し、浸食し続ける人間は、人間以外の生物から見たら「害しかない生物」だと言えるでしょう。
マサチューセッツの写真家クリス・ジョーダンは、「見るに耐えられない美しさ」という写真シリーズを発表しました。
アメリカ各地のゴミ置き場に破棄されている携帯電話、砕かれた自動車、電子部品、生ごみの巨大な塊、集積を写真におさめました。
クリスはこれらの写真は「現代文明の遺産であり、不気味な美しさに目が離せなくなる」とコメントしています。
気味悪さ、滑稽さ、荒廃した様子、それは私達の姿そのものなのです。
世界各国が抱えているゴミ問題を解決する画期的な手段は今なお発明されていません。
Portraits of American Mass Consumption by Chris Jordan
http://www.chrisjordan.com/gallery/intolerable/#cellphones2