『さあ丘の上から見おろす景色 組織にとらわれ増えていく知識
意識の中にめばえた感情 否定の裏側にあるのは自意識
認めた上で再確認 黙認されることなど期待せずに
くつひもむすんだら外飛び出す 四角い空へ今日もまた走り出す』
-Under Age’s Song/Dragon Ash
日本においては高度経済成長に伴い高層ビルの建設ブームが始まり、都内を中心にビル乱立の波は広がっていきました。
ビルによって空は幾何学模様に切り取られ、「四角い空」は地方都市でも当たり前の光景になってゆきました。
「小学校低学年の生徒に空の絵を描かせたら、画用紙の真ん中に青のブロック体を描いた」という嘘のような本当の話も出てきました。
日本の「四角い空化」も東京オリンピックに向けてさらに加速していますが、世界で最も人口密度が高い地域の一つである香港の空の狭さはレベルが違います。
香港の人口は香港島北部の住宅地と九龍半島に人口が集中しており、香港全体の面積の12%弱の地域に、香港総人口の約48%に当たる約338万人が居住しているという過密っぷりです。
しかも香港18の区のうち最も人口密度が高い観塘区では1平方キロメートル当たり54,530人にも上ります。
ちなみに東京23区の平均は14,389人/km²(面積621.98km²、人口895万人)で最も密度が高い特別区は、豊島区で21,870人/km²、次が中野区で20,120人/km²です。
人口過密が高過ぎの香港では集合住宅の高層化が10年以上前から今に至るまで凄いスピードで進んでいます。
オーストラリア人写真家で美術家のピーター・ステュワートは写真シリーズStackedで、香港の高層建築物の吹き抜けから見上げた空を写しました。