HAYABUSA MAGAGAZINE

日本国民の6人に1人が「貧困層」-日本の現状を描いたドキュメンタリー作品「日本の使い捨て労働者」

GDP世界第3位の経済大国「日本」において、国民の6人に1人が「貧困層」だということはご存知でしょうか。

労働組合東京ユニオンの関口達矢書記長は、日本の現状をこう指摘しています。

「アベノミクスで景気がよくなったといわれても、それを実感できているのは、一部の富裕層に限った話。雇用の流動化を進める安倍政権が目指すのは、1%の富裕層が富を独占するアメリカのような超格差社会です。すでに、正社員の労働環境も不安定化しており、中間層が下に落ちてきています
実は先進国トップの貧困率だった日本。貧困の波は年収500万円サラリーマンにも押し寄せているより

フォトジャーナリストのShiho Fukuda氏監督、ピューリッツァーセンター製作のもと「Japan’s Disposable Workers(日本の使い捨て労働者)」というドキュメンタリー映像作品が発表されました。

このプロジェクトはShiho Fukuda氏のポートレイトシリーズで日本の使い捨て労働者に基本に、3部構成のドキュメンタリーとなっています。

3部のセクションは次のとおり。

①過労と自殺
Japan Disposable Workers0031990年代の不況の後、日本のホワイトカラーのサラリーマンが増えて職を失うことを恐れて、骨身を削って働いています。そしてそれが多くうつ病患者や自殺者を生む背景になっています。

②ネットカフェ難民
Japan Disposable Workers002インターネットカフェは、10年以上前から日本に存在していましたが、2000年代半ばに、利用者が居住区としてこれらのスペースを使い始めました。インターネットカフェ難民は自分のアパートを借りるには給料が低過ぎており、ほとんどが非正規の従業員である。

③ゴミ捨て場
Japan Disposable Workers001大阪、釜ヶ崎。かつて多くの日雇い労働者が集まった街。現在は25,000人の失業者を抱え、多くのホームレスが街に住んでいる。

コチラから①過労と自殺と③ゴミ捨て場を閲覧することができます。

第二章のネットカフェ難民がVIMEOで公開され大きな話題を呼んでいます。

「ネットカフェ難民」と呼ばれる人達が増え始めたのは1990年代の終わりの頃からで、そしてそれが大きく社会問題化したのは2000年代の半ば。

ネットカフェ難民の多くは非正規雇用者だと言われています。

現在において労働市場において非正規雇用労働者は全体の38%を占めています。

非正規雇用者の賃金は正規雇用者の半分以下の水準で、失業した場合の社会保障も非常に薄いものとなっています。

このような非正規雇用者への差別的な対応が、現在大きな問題になっている「日本貧困化」の原因の一つとも言えます。

日本貧困化に関して詳しくはnippon.comの悪化する日本の「貧困率」に書かれているので、日本のリアルな現状を知りたい方は是非一読することをお薦めします。


ハヤブサマガジンは2005年にスタートしたウェブマガジン

日本未到着の出来事・ファッション・ニュースを中心に紹介

Return Top