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死ぬまでに一度は行きたいアメリカの野外フェスベスト10

1969年に開催された伝説の野外フェスティバル「ウッドストック・フェスティバル」。

カウンターカルチャーを象徴する歴史的なイベントとして、その精神は今日に開催されている世界中の野外フェスに受け継がれている。

現代のウッドストック・フェスティバルと問われれば、カリフォルニア州インディオで4月に開催されているコーチェラ・フェスティバルと答える人が多いだろう。

キャパシティー、ブッキング力、ブランド力、全てにおいて世界屈指のロックフェスだと言えるだろう。

しかし、コーチュラの他にもエンターテイメント大国アメリカには素晴らしい野外音楽フェスティバルが各地で開催されている。

日本ではまだあまり知られてないコーチュラを除く「アメリカの野外フェスベスト10」を紹介する。

死ぬまでには行きたいフェスティバルだらけだ。

LOLLAPALOOZA

①Lollapalooza(ロラパルーザ)

1980年代後期にオルタナティヴ・ロックの土台を作ったカリフォルニア州出身のロックバンド「ジェーンズ・アディクション」が解散を発表した1991年。

ボーカルのペリー・ファレルは単独での解散ツアーを行うのではなく、お気に入りのバンドと一緒に全米を回る「ロラパルーザ・フェスティバル」を開催。

第1回はアイス・Tからナイン・インチ・ネイルズまでがヘッドライナーとして参加し、当時としては珍しいジャンル横断型のフェスティバルとなった。

また、アメリカからカナダにかけての多くの都市を数ヶ月かけて巡回するとういう珍しいスタイルのフェスティバルで、都市から小さな田舎町まで移動しながら開催した。

その後、1997年まで毎年開催され一旦終了した。

紆余曲折あり、2005年にシカゴの中心部にある大規模公園「グラント・パーク」で開催する週末開催型の野外フェスティバルに変更され今も継続している。

チケットの売り上げの伸び悩みなどのトラブルを抱えながらも運営会社の変更などにより、見事に再生したロラパルーザ。

今では65,000人を動員し、2018年までのシカゴ開催が決定している。

2014年のラインナップにはEMINEM、OUTKAST、KINGS OF LEON、ARCTIC MONKEYS、SKRILLEX、 CALVIN HARRISなどのビッグネームが名を連ねている。

http://www.lollapalooza.com/

ULTRA-MUSIC-FESTIVAL

②ULTRA MUSIC FESTIVAL(ウルトラミュージックフェスティバル)

ウルトラミュージックフェスティバルはビジネスパートナーであったRussell FaibischとAlex Omes、そしてBruce Braxtonの3人がスタートさせた野外エレクトロニックミュージックフェスティバル。

2005年にマイアミのベイフロントパークで開催した時は45,000人の動員だったが、2013年には同会場で330,000人を動員。

EDMの人気と比例して、このフェスティバルも動員を伸ばしてゆき、このジャンルの一流のアーティストが集結する祭典となっている。

マイアミの他に、世界各国でもULTRA MUSIC FESTIVALの名を冠した屋外フェスを開催している。

過去にイビサ(スペイン)・ブエノスアイレス(アルゼンチン)・サンパウロ(ブラジル)・チリ(チリ)・ソウル(韓国)・ケープタウンやヨハネスブルグ(南アフリカ)、フヴァル(クロアチア)などで開催しており、2014年の9月には東京のお台場でULTRA MUSIC FESTIVAL TOKYOの開催が予定されている。

2014年の本拠地マイアミ開催のULTRA MUSIC FESTIVALは3月28日~30日の3日間開催し、3日間の前売りチケットは数秒で完売。

通常の入場券も開催前日に完売した。

しかしながらこのフェスの前夜祭でチケットを持っていない群衆がフェンスに押し倒し、会場に流れ込むという事態が起きた。

その時、群衆を制止していた女性ガードマンが群衆達に踏み倒され、脳出血を起こして今なお危篤状態になっている。

マイアミ市長は「主催者は無責任だ。来年はウルトラはここでは開催されるべきではない。こんな事故は決して起きてはいけないことだ」とコメントしている。

http://www.ultramusicfestival.com/home

SOUTH-BY-SOUTHWEST

③South By Southwest(サウスバイサウスウェスト)

テキサス州オースティンで開催される音楽・インタラクティブ・映画の3部構成のフェスティバル。

1986年に始まったSouth By Southwestは最初は700名しか参加者がいなかったが、28年経った現在では100,000人以上集まる世界最大の音楽祭典に成長した。

3月初旬から中旬にかけてと、他のフェスティバルと比べると長期にわたり開催される。

1000を超えるバンドやミュージシャンが世界各地からSouth By Southwestでショウケースを行う。

街中にあるライブハウスに無名ミュージシャンが参加費を払って出演するのが特徴で、観客の多くは音楽・IT・ショウビズ・エンターテイメント関係者で、新しい才能を発見する為にこのフェスを訪れる。

もちろん有名アーティストもこのフェスに出演し、2014年にはカニエ・ウェスト、Jay-Z、レディ・ガガがパフォーマンスを行った。

インタラクティブ部門はスタートしたばかりのtwitterがSouth By Southwest Interactive Awardを受賞したことでも話題になった。

あらゆるジャンルの新しい才能を発見できるフェスティバルとして名高いのがSouth By Southwestだ。

http://sxsw.com/

SASQUATCH

④Sasquatch! Music Festival(サスカッチミュージックフェスティバル)

2002年からワシントン州クィンシーにある野外シアター「ザ・ゴージ」で開催しているフェスティバル。

インディーロックバンドやシンガーソングライターの他に、オルタナティブロック、ヒップホップ、EDM、そしてコメディーまで様々なジャンルのショーケースを観ることができる。

2013年はチケットが発売開始から約90分で完売したため、2014年は2週末にわたり開催される。

それぞれの週末が全く異なるラインナップで200組を超えるのアーティストがパフォーマンスを行う

2014年のラインナップにはOutkast、the National、Queens of the Stone Age、M.I.Aなどが名を連ねている。

また、キャンプ型のフェスティバルとしても有名で、アウトドア好きにも愛されているフェスである。

チケット予約サイト「ConcertBoom」によるアンケートで「全米野外サマーフェスティバルトップ10」の一つとして選ばれたこともある。

http://www.sasquatchfestival.com/

GOVERNORS-BALL

⑤GOVERNOR’S BALL(ガバナーズボール)

ニューヨーク市内にあるランドールズ・アイランド・パークにて開催されるフェスティバル。

東海岸に住む音楽ファンを対象に2011年にスタートしたこのフェスティバルはインディーロック、オルタナティブロック、ヒップホップ、エレクトロニカなど幅広いジャンルの「今」を体感することができる。

他のフェスよりも音楽以外のフードやアクティビティーなどのホスピタリティーが高く、ニューヨーク観光を一緒に楽しめることから、世界的に人気があるフェスに成長した。

しかし、2013年は記録的な大豪雨に見舞われ、会場全体が泥の池となり、荒れた天候でステージは中断、物流が停止し大混乱が起きた。

2014年は6月6日~8日の3日間にかけて開催され、The Strokes, Disclosure, Vampire Weekend, Jack White, Skrillex, Interpolなどの出演が決定している。

http://governorsballmusicfestival.com/

FIREFLY

⑥Firefly Music Festival(ファイアフライミュージックフェスティバル)

2012年よりデラウェア州ドーバーインターナショナルスピードウェイで6月に開催されるキャンプ型野外フェスティバル。

4日間にわたり開催され、2013年には71アーティストが出演し、95のアーティストの出演がアナンスされた。

キャッチフレーズは「東海岸のプレミア音楽体験」。

ステージはseven stages,The Porch Stage, The Lawn Stage, The Backyard Stage, the Big Break Stage, The Forest Stage, そしてThe Firefly Stageの7ステージで構成されている。

2014年のヘッドライナーには Foo Fighters、Jack Johnson、Weezer、Imagine Dragonsなどが発表された。

キャンプ型のフェスとして有名で宿泊者にはフードラウンジ、アーケードビデオゲームなどのレキリエーションなどが提供される。

宿泊者はテントかオートキャンプを選択することができる。

さらに、エアコン付きのサファリテントやエアコン付のバンガローも用意されている。

年齢層の高い高級志向のフェスティバルと言える。

https://fireflyfestival.com/

AUSTIN-CITY-LIMITS

⑦AUSTIN CITY LIMITS(オースティン・シティ・リミット)

テキサス州オースティンで10月に3日間に渡って開催されるフェスティバル。

2002年からスタートしたこのフェスはアメリカンサブカルを代表する街オースティンで開催されることから、普段フェスに出ないような(呼ばれないような)アーティストが出演することでも有名。

8ステージで構成され、一日あたり75,000人を動員します。

地元で食材を使った料理や子どもの為の無料プレイルームなども用意されています。

特にフードコートに軒を連ねているレストランの味には定評があり、ステーキ、ローストビーフからアイスクリームまで幅広く取り揃えられています。

3日間のパスが225USDで販売されている。

2013年にはDEPECHE MODE、THE CURE、MUSE、KINGS OF LEON、ATOMS FOR PEACE、LIONEL RICHIE、PHOENIX、WILCOなどが出演した。

http://www.aclfestival.com/

ROCK-THE-BELLS

⑧Rock The Bells(ロック・ザ・ベルズ)

2004年に南カリフォルニアでスタートしたヒップホップ・フェスティバル。

現在では世界中で同名のフェス・ツアーを行い、ヒップホップイベントの代表格となった。

2007年にはニューヨークで開催し、ヘッドライナーにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを出演し、ヒップホップファンのみならず、多くのロックファンも参加した。

「Rock The Bells」は過去10年間で、ウータン・クランやア・トライブ・コールド・クエストなどの90年代に活躍したアーティストをヘッドライナーとして招聘してきたが、その間にも若手ラッパーなどを大きなステージに引き上げるなど、挑戦的な姿勢も見せている。

若手ラッパーの登竜門的な意義があるフェスティバルとも言える。

http://www.rockthebells.net/

OUTSIDE-LANDS

⑨OUTSIDE LANDS(アウトサイド ランズ)

アウトサイドランズ・ミュージックフェスティバルはカリフォルニア州サンフランシスコのゴールデンゲートパークで毎年8月の週末に開催される。

2008年に第1回目開催の時から60ヶ国以上のアーティストがパフォーマンスを行い、1日の動員が60,000人に達し、興行面では成功と言えたが、その反面に参加者のコントールができずにゴミ問題やトラブル処理などの運営者側の管理面に対して強烈な批判を浴びた。

その反省を活かし、翌年からは多数の取り決めを実施し、また環境面に対しての取り組みも始めた。

これは他の大型野外フェスも通ってきた道だと言える。

アウトサイドランズは、音楽以外にも食品、ワイン、アートに焦点を当てている。

参加者は入場券と一緒についてくるチケットを利用して、多くの異なるベンダーからサンプルのワインを手に入れることがでる。

その他にもスポーツラウンジ、アーケードゲーム、バーなど様々なエンターテイメントを提供している。

このフェスはECO戦略をアピールするだけでなく、環境に配慮した活動について参加者に伝える努力を行っている。

太陽光発電の利用、再充填可能な水の利用、廃棄物転換プログラム、リサイクルプログラム、および自転車バレーパーキングプログラムがある。

また、有機食品と農業について教育するためのワークショップが行われている。

http://www.sfoutsidelands.com/home/

TOMORROWWORLD

⑩TomorrowWorld(トゥモローワールド)

前売り入場券販売開始1秒で18万枚がソールドした伝説を持っている野外フェスティバルTomorrowWorld。

ヨーロッパ最大のダンス・ミュージックのフェスティバルであるTomorrowlandの兄弟イベントとして、2013年からジョージア州アトランタ郊外のChattahoochee Hillsという人口2400人の町で9月に開催している。

チケットの入手困難度、出演者のレア度、フェスとしてのクオリティーが最高クラスと評判が高い野外フェスティバルだ。

おとぎ話の世界のような舞台装飾が有名で、会場全体に非日常の世界観を貫いている。

EDMのトップDJ達がこぞって出演し、世界中のダンスミュージックファンがこのフェスに訪れる。

参加者の半数以上は非アメリカ人であり、自国の国旗を肩にかけたり、旗にして振ります姿が写真でレポートされている。

人気と世界観ともに唯一無二のフェスと言えるだろう。

日本からもチケットは極わずかだが、オフィシャルツアーが実施されている。

http://www.tomorrowworld.com/register/

どのフェスのオフィシャルサイトも動きが重く、日本人の感覚だととても見辛いというのも特徴だ。


ハヤブサマガジンは2005年にスタートしたウェブマガジン

日本未到着の出来事・ファッション・ニュースを中心に紹介

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