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映画Fight Clubが現実にー「いつでもやってやんよ!」なウェブサービス【Rumblr】登場

「いいか。ファイトクラブのルールその1は。ファイトクラブのことを話すなだ。いいな?そしてルールその2もファイトクラブのことは話すなだ。」

その3 「だれかが、やめろと言う、もしくは引き下がったら、ファイトは終わり」

その4 「ファイトは1対1」

その5 「一度に一試合」

その6 「シャツと、靴は脱ぐ」

その7 「試合は、戦えるまで」

その8 「初めてファイトクラブに来たものは、戦え」

欧米先進国の資本主義社会・グローバリズムに憤慨している市民の立場から、2001年の9・11アメリカ同時多発テロを予見したとも言える映画作品『Fight Club』(1999年公開)。

主人公(僕)が出張途中の機内で知り合った石鹸の行商人タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)に知り合い、タイラーから「力いっぱい俺を殴ってくれ」と言われて喧嘩を始めたことが、いつしか大勢の男達が集まる1対1の「ファイト(喧嘩)」を行う秘密の集まりへと変わっていった。というはじまり。fightclub2008年に英国最大の映画雑誌『エンパイア』が、読者、映画関係者、映画評論家を対象に「過去最高の映画」に関するアンケート調査を行い「歴代最高の映画ランキング500」を発表した結果、『Fight Club』が10位にランクイン。

また、同年に同誌が「最高の映画キャラクター100人」の調査を行ったところ、1位に輝いたのは、『Fight Club』でブラット・ピットが演じたタイラー・ダーデンでした。

映画ファンじゃなくても、ブラッドピットファンでなくても、とにかく「ヤバい」映画だったFight Clubは、案の定世の男達に影響を与えまくり、映画公開当初は実際にファイトクラブが世界中に誕生し、そして摘発されました。

現実には「ファイトクラブについて口外するな」のルールを守るのは難しかったのかもしれません。

また、大人の素手での殴り合いは、映画や漫画と違って簡単に後遺症レベルの怪我を負うことになるので、あまりにリスキーだとやってみてわかったのかもしれません。

映画公開から16年経った現在は、当時よりもさらにテクノロジーは進化し、拝金と飽食とグローバリズムは猛加速中です。

タイラー・ダーデンが今の世界を見たら「クソ過ぎてクソ以外の言葉が出てこねぇなクソ」と言うかもしれません。

そんなファイトクラブやタイラーに影響を受けたか、あるいはこの表層的でイメージだけで取り繕われた世界にムカついたのかわかりませんが、今月、「喧嘩相手を見つけるウェブサービス【Rumblr】」が発表されました。rumblr_fightingニューヨークを拠点とするアプリデベロッパーが開発したこのサービスは喧嘩したがり屋のユーザー同士が、位置情報を利用して近場にいる喧嘩相手を探し、

「YO!ワッサ!お前喧嘩強いんだってな?」

「なんだお前、豚みてぇなツラしやがって。テリヤキにしてやろうかあん?」

「お前なんてバーガーキングのゴミ箱の中身みたいなツラしやがって、生ごみ臭さが滲み出てるな」

「おい、1セント野郎。てめぇみたいな激安豚はグチャグチャに挽いて、ブルックリン橋から投げてボラの餌にしてやる」

「うるせぇお前は存在自体が公害なんだボケ。お前みたいな腐臭野郎は馬鹿なティーンエージャーの前で裸踊りしてインスタにアップされて死ぬまで恥かけ」

「よしわかった、おめえ明日の夜11時に〇〇公園に来い。俺は白いTシャツ来て中指立てながら待っててやる」

「了解。生ゴミ、てめぇ逃げんなよ。俺はヤンキースのキャップ(絶対に触るな!)をかぶって、お前のことをナメまくったツラしてるから見つけてくれ」

というやり取りをLINEのようなチャット方式でやり取りし、お互いが指定した場所でファイトを始めるというフローです。rumblr_fighting_appこの【Rumblr】はiOSアプリとしてローンチするはずでしたが、当然アップルの審査に通らず、現在はウェブサービスのベータ版としてスタートしました。

http://app.getrumblr.com/

アプリであれば位置情報を利用し、今近場で行われているファイトを野次馬として観戦することも可能だったのですが、現在はその機能はまだ実装していないようです。

真面目な話をすれば、怪我やルールの問題、法的な問題などこのサービスには解決すべき点が山積みですが、ローンチ後に瞬く間に30万人がユーザー登録していることから、「喧嘩したい」「喧嘩を見たい」と思っている人が確かに存在していることがわかります。

日本では流行らないと思いますが、戦い大好きの欧米人の間ではしばらく話題になることでしょう。


ハヤブサマガジンは2005年にスタートしたウェブマガジン

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